ビタミンAの吸収促進因子
ビタミンAは、脂溶性ビタミンなので脂に溶けやすい性質があります。調理による損失は比較的少ないといえます。たとえば、ほうれん草のカロテンは、ゆでた場合には10~20%、油炒めだと5%ほどが損失されますと言われています。ただし、光や酸素に弱いので、調理形態、調理時間によって損失率が高くなることがあります。脂溶性ビタミンは油と組み合わせて食べる事で吸収効率を高める事ができます。例えば、ソテーにしたり、生で食べる場合もマヨネーズやドレッシングと一緒に食べるとよいでしょう。また、カロテノイドは種類によって抗酸化作用が異なり、対応する活性酸素も異なるので、いろいろなカロテノイドをまんべんなく摂ることも大切です。
ビタミンAの吸収阻害因子
①摂取後4時間以内に、激しい運動をする。
②摂取後4時間以内に過剰なアルコールをとる。
③サプリメントなどによる鉄分のとりすぎ。
④ビタミンEのとりすぎ。
⑤ステロイドの服用、塗布。
⑥胃薬を頻繁に飲むと胃酸が弱まり、吸収が低下する。
⑦コレステロール吸収抑制薬を服用している。
⑧胃・腸・肝臓に障害や機能低下があると脂質を分解する胆汁の生産と分泌が減少するので働きが阻害される。
⑨脂肪抜き・低脂肪ダイエットをしていると胆汁が十分に生産されないので、ビタミンAが吸収されない。
ビタミンAの栄養と健康 |
ビタミンA消化と吸収 |
ビタミンAの栄養所要量 |
ビタミンAは、油脂類に溶ける脂溶性ビタミンです。皮膚や粘膜の細胞の正常な分化を促し、粘液の産生にも関係しています。ビタミンAは「目のビタミン」といわれ、目の健康に深く関わっているビタミンです。 | ビタミンは肝臓から血液を通り組織へ行き、肝臓で脂肪酸と結合して貯蔵される。 必要に応じてタンパク質と結合して体内にお運ばれ、 細胞にとりこまれ、成長促進や粘膜維持に関与。 | ビタミンAは、脂溶性ビタミンである為に過剰摂取すると体内蓄積をし過剰症を引き起こす事がわかっています。摂取する量は決められています。 |
ビタミンAの過剰症 |
ビタミンA不足・欠乏症 |
ビタミンAの吸収促進・阻害 |
ビタミンAを大量に摂取した場合、頭痛、めまい、吐き気、嘔吐などの中毒症状(過剰症)をおこすことがあります。動物のレバーのようにビタミンAを多く含む食品を同時にとる場合には注意が必要です。 | ビタミンAが不足すると粘膜が乾燥しやすくなります。そのため、目が乾く、肌がかさつく、風邪をひきやすくなる、胃腸の粘膜が傷つきやすくなる、髪が傷む、爪がもろくなる、などの症状があらわれます。 | ビタミンAの吸収促進には、ビタミンD、βカロチンなどのカロチノイド類や脂質を含む食品と一緒に摂取する事、吸収阻害因子は喫煙などがあります。 |
ビタミンAを多く含む食品 |
ビタミンAと抗酸化作用 |
妊娠初期とビタミンA |
ビタミンAの成分レチノールを多く含む食品を紹介します。肉類では豚、牛、鶏の肝臓に多く含まれます。それからうなぎやいか、たまごやバターなどの乳製品にも多く含まれます。 | β-カロテンには活性酵素の発生を抑え、取り除く働きがあります。ビタミンEは抗酸化作用のほか、細胞内に過酸化脂質が作られるのを抑える働きがあります。 | ビタミンAは妊娠中も必要なビタミンですが、妊娠3ヶ月までの過剰摂取により赤ちゃんの耳の形態異常が増えることがわかっています。 |