ビタミンB6の栄養と働き|食と健康e840.net ビタミンB6の栄養と働き

ビタミンB6栄養と働き、欠乏すると口角炎の原因

ビタミンB6は、ピリドキシン、ピリドキサール、ピリドキサミンとそれぞれのリン酸エステル体が存在し、摂取後体内で補酵素型であるピリドキサール5-リン酸およびピリドキサミン5-リン酸に転換される。ビタミンB6は、多くの酵素の補酵素として働き、主にアミノ酸代謝により、神経伝達物質の生成や、たんぱく質からのエネルギー産生に関与する。したがって、たんぱく質の摂取量に応じてビタミンB6の必要量が変動する。ビタミンB6は、粘膜などの組織の免疫にかかわる作用があります。その為、欠乏をすると口角炎などになりやすいです。

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ビタミンB6の栄養と働き

ビタミンB6
ピリドキシン

ビタミンB6は水溶性のビタミンで、ピリドキシン、ピリドキサール、ピリドキサミンと、これらのリン酸エステル型であるピリドキシン-5’-リン酸 (PNP) 、ピリドキサール-5’-リン酸(PLP)、ピリドキサミン-5’-リン酸 (PMP) の総称です。体内ではPLPとPMPの形で多く存在し、主な役割は、タンパク質、脂質、炭水化物の代謝の補酵素、神経伝達物質である生理活性アミンの代謝の補酵素、ホルモン調節因子などとして働いており、不足すると皮膚炎などが起こることが知られています。

ビタミンB6の栄養と消化・吸収

摂取したビタミンB6は小腸で吸収されます。吸収されたビタミンB6は肝臓に運ばれ、肝臓の細胞中でピリドキサールキナーゼにより、リン酸化されます。生体内では主に、ピリドキサール-5’-リン酸 (PLP) とピリドキサミン-5’-リン酸 (PMP) が、アミノ酸代謝におけるアミノ基転移反応や、生理活性アミン (セロトニン、ドーパミン、アドレナリン、ヒスタミンなど) の合成に必須な脱炭酸反応、その他ラセミ化、および脱水素反応の際に補酵素として働きます。また、PLPには、ホルモンの作用を調節する働きがあります。

ビタミンB6の栄養の働きと効果

CビタミンB6は、ホルモン作用の調節や免疫機能の維持、脂質代謝、グリコーゲン、の分解などにも働く、ビタミンB12や葉酸と共に作用して、血中ホモシスティンレベルの調節に関与し、冠動脈性心疾患のリスクの低減に役立つとする報告もある。そのほか、ビタミンB6は肺がんのリスクを低減させるのに有効であるとされている。また、遺伝性鉄芽球性貧血の場合にはピリドキシンの投与が有効なケースもある。

ビタミンB6の化学的特性

ビタミンB6は白色から微黄色で水に溶けやすく、エタノールには溶けにくい性質を持ちます。また、光に対し不安定です 。

ビタミンB6の栄養所要量

ビタミンB6が不足すると湿しんなどの皮ふ炎や口内炎、貧血、脳波の異常などがおこります。ビタミンB6は腸内細菌によってもつくられることから、一般的には不足しにくいのですが、抗生剤を長期間飲んでいる人では不足することがあります。また、最近、生理前に憂うつな症状のでる月経前症候群の人では、体内でビタミンB6不足がみられたという報告もあります。ビタミンB6を欠乏すると口角炎になりやすい事がわかっております。

ビタミンB6過剰症、欠乏症を防ぐ適正栄養所要量

栄養推奨量
成人男性 1.4mg
成人女性 1.2mg
 栄養機能性食品として (下限値)  0.5mg 
(上限値)  10.0mg 

(参照) ビタミンB6の栄養所要量
※「日本人の食事摂取基準(2005年版)」による
※成人=18~49歳

我が国におけるビタミンB6栄養摂取状況

平成21年の国民健康・栄養調査では、通常の食品から男性は平均1.20 mg/日、女性は平均1.03 mg/日摂取しており、強化食品・補助食品からは男性は平均0.54 mg/日、女性は平均0.80 mg/日摂取しています 。

ビタミンB6過剰症と欠乏症(口角炎)

ビタミンB6は、通常の食生活ではとり過ぎになる心配はほとんどありません。ただし、ビタミンB6作用をする数種の物質のうちピリドキシンのみを長期に大量摂取した場合は感覚神経に障害がみられたという報告があります。薬やサプリメントで摂取する場合は適切なご利用方法をこころがけてください。ビタミンB6の代表的な欠乏症には口角炎があります。

ビタミンB6には、過剰症状と欠乏症(口角炎)があります。

項 目 具体的な症状
過剰症 感覚神経障害、筋肉の脆弱化、精巣の萎縮、光過敏症、嘔吐、食欲不振、血中葉酸濃度の低下などが認められている 
欠乏症 湿疹、脂漏性皮膚炎、口角炎、舌炎、小赤血球性貧血、脂肪肝、麻痺発作、多発性神経炎、免疫力低下、アレルギー症状の易出性。 基本的に以上の欠乏症が発症することはめったにないが、抗生物質の長期服用時、経口避妊薬の常用時、ある種の血管拡張剤の服用時には吸収が阻害されたり、代謝障害が起こって欠乏状態になりやすくなる。 

ビタミンB6が多く含まれている食品

ビタミンB6は広く各種食品に含まれていますが、かつお、まぐろなどの魚類、レバー、肉などに多く含まれています。また、果実ではバナナに1本(100g)に0.38mgと比較的多く含まれています。たんぱく質を多く摂取しているアスリートには、間食のバナナはよいエネルギー源になるほか、ビタミンB6補給という意味でもおすすめです。

有量(可食部100g中) 常用量(目安量)
豚ヒレ 赤肉(生) 0.98 80g(手のひら大) 0.78
さつまいも(生) 0.11 200g(1本) 0.22
スパゲッティ(ゆで) 0.05 210g(ゆで1食) 0.11
うなぎ(蒲焼) 0.75 80g(1/2尾) 0.60
べにざけ(生) 0.26 70g(1切れ) 0.18
豚ロース 赤肉(生) 0.80 80g(手のひら大) 0.64
生ハム 0.92 20g(1枚) 0.18
(参考) ビタミンB6が多く含まれている食品

ビタミンB6を含む食品調理・加工をする際の注意点

ビタミンB6は、主にたんぱく質の代謝に関わる水溶性のビタミンで、体内の腸内細菌によっても作られています。人がたんぱく質を摂取すると、体内でアミノ酸という単位まで消化され、小腸で吸収された後、体に必要なたんぱく質に合成されます。その合成に必要なのがビタミンB6なのです。よって、たんぱく質やアミノ酸の摂取量が増えるとビタミンB6の必要量も増えるので、たんぱく質やアミノ酸を多く摂取するときは、ビタミンB6も意識して摂るように心がけましょう。特に、ビタミンB群はお互いに助け合いながら作用することから、どのビタミンもバランスよく取り入れることが大切です。口角炎などの時は積極的にビタミンB6の食品を摂取する事をおすすめします。

ビタミンB6の歴史

ビタミンB6の発見者は、ドイツのジエルジーです。1935年ジエルジーがネズミに起こる皮膚炎がB1やB2では治らず、酵母の抽出物を与えたところ治った事から、この皮膚炎予防因子を『ビタミンB6』と名付けたのが始まりです。この3年後、ビタミンB6の分離に成功しました。化学名は、ピリドキシン,ピリドキサミンといいます。

ビタミンB6に関する情報

ビタミンB6に関する詳しい情報
ビタミンB6の栄養所要量
ビタミンB6の吸収を促進阻害する因子
ビタミンB6が多く含まれている食品
ビタミンB6過剰症
ビタミンB6欠乏症
ビタミンB群について詳しい情報はこちらを参照

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