ビタミンの栄養と健康(Vitamin)|食と健康e840.net ビタミンの栄養と健康(Vitamin)

ビタミンA、プロビタミンAの栄養と化学的な特徴

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ビタミンAの化学的な性質と特徴

ビタミンA (レチノール) は、油脂類に溶けるビタミンの1種である脂溶性ビタミンであります。主に動物性食品に含まれており、体内ではレチノール・レチナール・レチノイン酸といった3種の活性型で作用しています。ビタミンAは皮膚や粘膜の正常保持・視覚の正常化・成長および分化に関与しているため、不足すると皮膚や粘膜の乾燥・夜盲症・成長障害・胎児の奇形などを引き起こす恐れがあります 。また、ビタミンAは脂溶性であることから過剰に摂取し続けると体内に蓄積する過剰症を起こす事もわかっています。激しい偏食をしないと過剰症にはなりづらいですが、ビタミンAを含むサプリメントを継続的に大量摂取する事で過剰症を発症した報告もあります。食品中には、ビタミンA以外に体内でビタミンAに変換されるプロビタミンA (ビタミンAの前駆体) というものがあります。プロビタミンAは主に植物性食品に含まれ、赤や黄色の色素であるカロテノイドがよく知られています 。

ビタミンAとプロビタミンA

ビタミン A には、レチノール(ビタミン A1)並びに 3-デヒドロレチノール(ビタミン A2)とそれらの誘導体があります。一般的にビタミンAといえば、一般的にA1のことを指し、βカロテンもレチノールもビタミンA1に分類されます。ビタミンA2は、アユやフナなどの淡水魚の肝臓に、含まれていますが、通常、必要な栄養素として取り上げられるのは、ビタミンA1のみです。ビタミン A は、化学的にはきわめて不安定であり、酸、空気、光、熱によって異性化、分解、重合を行います。また、体内でビタミン A に変換されるプロビタミン A(ビタミン A の前駆体)はカロテノイド色素群に属し、約 50 種類ありますが、その主なものは、β-カロテン、α-カロテン、クリプトキサンチンなどです。特に、β-カロテンは、他のカロテノイドに比べて、効率よくレチノールに変換されます。なお、ビタミン A としての生物学的効力を表わす用語は「レチノール当量(RE)」が使われています。なお、レチノール 1μg は、α-カロテン 24μg、β-カロテン 12μg、β-クリプトキサンチン 24μg に相当します。

プロビタミンAとは

動物体内でビタミンA作用物質に転換される物質をいう。植物中に存在するカロチノイド色素のうちα(アルファ)-、β(ベータ)-およびγ(ガンマ)-カロチン(カロテンともいう)、クリプトキサンチンなどがこれに相当するが、β-カロチン(β-カロテン)がビタミンA活性最高である。β-カロチンは、小腸粘膜内で分子状酸素による酸化的切断とそれに次ぐ還元を受けてレチノール(ビタミンA)に転換される。国際単位ではβ-カロチンのビタミンA効力はレチノールの2分の1である。酸、熱、酸素に不安定で、酸化されると無色化あるいは退色する。植物中のβ-カロチンの効率的吸収には油脂が共存すると効率的である。β-カロチンを多く含む食品としてはニンジン、緑葉野菜、バターなどがある。

プロビタミンAの種類と化学的な性質

カロテンについて

カロテンは、植物によって生合成されるが、動物は生合成することができない。カロテンは光合成において重要な橙色光合成色素の一つである。ニンジンの橙色の元であり、このことがカロテンの語源となっているが、ニンジンだけでなく多くの果物や野菜(例えばサツマイモやマスクメロン)に含まれている。また、枯れ葉の橙色や乳脂肪、バター、卵黄の黄色もカロテンによる着色である。ヒトやニワトリの典型的な黄色脂肪はそれら食物由来のカロテンの脂肪貯蔵の結果である。化学的にはカロテンはテルペンの一つであり、8個のイソプレン単位から生合成される。カロテンは主にα-カロテンとβ-カロテンの2種からなるが、これらの他にγ-, δ-, ε-およびζ-カロテンも存在する。酸素原子を含まない炭化水素分子であるためカロテンは脂溶性であり水には溶けない。

α-カロテンの化学的な性質

α-カロテン(α-Carotene)は、一方の末端がβ環でもう一方の末端がε環であるカロテンである。カロテンのうち、2番目に多く存在する。生物内ではδ-カロテンから合成され、緑黄色野菜のみならず多くの植物にみられる。水にはほとんど溶けない脂溶性の物質で、純物質は紫色をしている。体内で酸化されレチノイドとなるが、βカロテンに比べると効力が低いとされている。

β-カロテンの化学的な性質

β-カロテン(ベータカロテン、β-carotene)は、植物に豊富に存在する赤橙色色素の一つ。両末端にβ環を持つ最も一般的なカロテンである。ビタミンAの前駆体(不活性型)である。テルペノイドの一つであり、水には溶けないが脂溶性は大きい。β-カロテンは2つのレチニル基から構成され、小腸の粘膜中でβ-カロテン-15,15'-モノオキシゲナーゼ(EC 1.14.99.36)によってレチナールに分解された後、ビタミンA(レチノール)となる。 カロテンは体内では肝臓や体脂肪に蓄えられ必要に応じてレチナールに変換され、ヒトや数種の哺乳類ではビタミンAの形にする。

α-クリプトキサンチン(ゼイノキサンチン)

β-クリプトキサンチンの化学的な性質

β-クリプトキサンチン(β-cryptoxanthin)は、天然に存在するカロテノイド色素の一つである。ホオズキやオレンジの皮、パパイヤ、卵黄、バター、リンゴ、ウシの血清など多様なところから単離される。分子構造はβ-カロテンに似ており、その片方の環にヒドロキシル基が一つ置換している。炭素と水素以外の元素を含むためカロテノイドのうち、キサントフィルに属する。純粋なクリプトキサンチンは金属光沢を有する赤色の結晶である。クロロホルムやベンゼン、ピリジン、二硫化炭素に易溶。ヒトでは、β-クリプトキサンチンはビタミンA(レチノール)に変換されるためプロビタミンAと見なされている。他のカロテノイドと同様に、β-クリプトキサンチンは抗酸化物質としてフリーラジカルによる酸化的損傷から細胞およびDNAを保護していると考えられている。

プロビタミンAの化学式

プロビタミンAの化学式

ビタミンAの栄養と健康

ビタミンA消化と吸収

ビタミンAの栄養所要量

ビタミンAは、油脂類に溶ける脂溶性ビタミンです。皮膚や粘膜の細胞の正常な分化を促し、粘液の産生にも関係しています。ビタミンAは「目のビタミン」といわれ、目の健康に深く関わっているビタミンです。 ビタミンは肝臓から血液を通り組織へ行き、肝臓で脂肪酸と結合して貯蔵される。 必要に応じてタンパク質と結合して体内にお運ばれ、 細胞にとりこまれ、成長促進や粘膜維持に関与。 ビタミンAは、脂溶性ビタミンである為に過剰摂取すると体内蓄積をし過剰症を引き起こす事がわかっています。摂取する量は決められています。

ビタミンAの過剰症

ビタミンA不足・欠乏症

ビタミンAの吸収促進・阻害

ビタミンAを大量に摂取した場合、頭痛、めまい、吐き気、嘔吐などの中毒症状(過剰症)をおこすことがあります。動物のレバーのようにビタミンAを多く含む食品を同時にとる場合には注意が必要です。 ビタミンAが不足すると粘膜が乾燥しやすくなります。そのため、目が乾く、肌がかさつく、風邪をひきやすくなる、胃腸の粘膜が傷つきやすくなる、髪が傷む、爪がもろくなる、などの症状があらわれます。 ビタミンAの吸収促進には、ビタミンD、βカロチンなどのカロチノイド類や脂質を含む食品と一緒に摂取する事、吸収阻害因子は喫煙などがあります。

ビタミンAを多く含む食品

ビタミンAと抗酸化作用

妊娠初期とビタミンA

ビタミンAの成分レチノールを多く含む食品を紹介します。肉類では豚、牛、鶏の肝臓に多く含まれます。それからうなぎやいか、たまごやバターなどの乳製品にも多く含まれます。 β-カロテンには活性酵素の発生を抑え、取り除く働きがあります。ビタミンEは抗酸化作用のほか、細胞内に過酸化脂質が作られるのを抑える働きがあります。 ビタミンAは妊娠中も必要なビタミンですが、妊娠3ヶ月までの過剰摂取により赤ちゃんの耳の形態異常が増えることがわかっています。

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