ビタミンAの栄養所要量
ビタミンAの1日のそれぞれの摂取量を、まとめたものが下記の表です。
ビタミンAは、発育を促進したり、肌の健康を維持したり、暗いところでも目が慣れて見えるようになる機能(視覚の暗順応)に関わったり、さらにのどや鼻などの粘膜に働いて細菌から体を守ったりなど、たくさんの重要な役割を持っています。
ビタミンAの推定平均必要量
その年令の半数が必要量を満たす、ビタミンAの摂取量で、 1日最低これくらいは必要な量です。
ビタミンAの推奨量
その年令のほとんどが必要量を満たす、ビタミンAの摂取量で、 1日の理想的な摂取量と考えてよいでしょう。
ビタミンAの上限量
健康障害(過剰症)を起こさない、ビタミンAの上限量です。
ビタミンAにおける性別・年齢別栄養所要量
ビタミンAが不足すると、暗いところで目が見えなくなる“とり目”と呼ばれる欠乏症がおこることが知られています。現在の日本ではほとんどみられませんが、栄養状態がよくない発展途上国において、子どもたちが失明する重大な原因になっています。その他の不足の症状では、皮膚および粘膜の乾燥や角質化などが生じるため、細菌やウイルスに対する抵抗力が弱まって感染症にかかりやすくなります。 一方、とり過ぎによる過剰症では、肝臓に貯蔵されて肝障害などの副作用をおこすおそれがあります。普通の食事からはとり過ぎる心配はありませんが、サプリメントやビタミン剤を摂取する場合は使用法をきちんと守りましょう。過剰摂取は胎児への悪影響が報告されていることから、とり過ぎにならないように気をつけてください。
年令 | 18~29才 | 30~49才 | 50~69才 | 70才以上 | |
男性 | 推定平均 必要量 |
550 | 550 | 500 | 450 |
推奨量 | 750 | 750 | 700 | 650 | |
上限量 | 3000 | ||||
女性 | 推定平均 必要量 |
400 妊婦450 授乳婦700 |
450 妊婦500 授乳婦750 |
450 | 400 |
推奨量 | 600 妊婦670 授乳婦1020 |
600 妊婦670 授乳婦1020 |
600 | 550 | |
上限量 | 3000 |
1μg(マイクログラム)REは、レバーなどの動物性食品に含まれる、レチノールの1μgに相当し、緑黄色野菜などの植物性食品に含まれるβカロテン12μgに相当します。(1μgRE=1μgレチノール=12μgβカロテ)
ビタミンAを多く含む食品
ビタミンAを多く含む食品のリスト
ビタミンAが多い食品 | ビタミンA含有量 |
鶏肉(レバー) | 14000 |
豚肉(レバー) | 13000 |
あんこうのきも | 8300 |
うなぎ(きも) | 4400 |
レバーペースト | 4300 |
うなぎ(かば焼) | 1500 |
ほたるいか(生) | 1500 |
ぎんだら | 1100 |
牛肉(レバー) | 1100 |
あなご | 890 |
しそ | 880 |
モロヘイヤ | 840 |
にんじん | 720 |
鶏肉(はつ) | 700 |
すじこ | 670 |
パセリ | 620 |
バジル | 520 |
あゆ(養殖/焼) | 480 |
うずら卵(水煮缶) | 480 |
たまご(卵黄) | 480 |
ほうれん草(ゆで) | 450 |
あしたば(生) | 440 |
しゅんぎく(ゆで) | 440 |
よもぎ | 440 |
生クリーム/乳脂肪 | 390 |
しゅんぎく(生) | 380 |
だいこん(葉) | 370 |
うずら卵(生) | 350 |
ほうれん草(生) | 350 |
糸みつば | 340 |
いくら | 330 |
ホイップクリーム/乳 | 330 |
ビタミンAとして働く成分を多く含む食品は、レバー、うなぎ、バター、マーガリン、チーズ、卵、緑黄色野菜などです。また、国民健康・栄養調査結果からみると、私たち日本人は緑黄色野菜からとるビタミンAが最も多く、4割余りを占めています。私たち日本人にとって緑黄色野菜はビタミンAの供給源としてとても重要なのです。ビタミンAを詳しくしりたい人は、ここをクリック。
ビタミンAに関する情報
ビタミンAに関する詳しい情報 ビタミンAの栄養所要量 ビタミンAの吸収を促進阻害する因子 ビタミンAが多く含まれている食品 ビタミンAの過剰症 ビタミンAの欠乏症 |