葉酸の栄養所要量葉酸(ビタミンB群)の1日のそれぞれの摂取量を、まとめたものが下記の表です。
葉酸は、たんぱく質や細胞をつくる時に必要なDNAなどの核酸を合成する重要な役割があります。このため、赤血球の細胞の形成を助けたり、細胞分裂が活発である胎児の正常な発育に役立ったりするなどの大切な働きをしています。 葉酸は、ビタミンB12と協力して血液をつくる働きがあるため、欠乏症ではビタミンB12不足の際と同様、巨赤芽球性貧血という悪性の貧血がみられます。また、妊娠初期の女性が十分な葉酸を摂取すると、胎児において神経管閉鎖障害という神経管の発育不全になるリスクを減らすことがわかっています。さらに最近では、成人において脳卒中や心筋梗塞などの循環器疾患を防ぐ可能性も出てきました。
葉酸の推定平均必要量
その年令の半数が必要量を満たす、葉酸の摂取量で、 1日最低これくらいは必要な量です。
葉酸の推奨量
その年令のほとんどが必要量を満たす、葉酸の摂取量で、 1日の理想的な摂取量と考えてよいでしょう。
葉酸の上限量
健康障害(過剰症)を起こさない、葉酸の上限量です。
性別・年齢別における葉酸の所要量
国民健康・栄養調査結果から日本人の平均した摂取状況は十分な量であることから、通常の食生活では摂取不足による欠乏の心配はほとんどありません。 しかし、妊娠中の女性では、必要な量がふだんの2倍近くになることから不足しやすいため、積極的な摂取が望まれます。特に、若い女性が極端な食事制限によるダイエットで葉酸不足になっていた場合、初期の妊娠に気づかないで胎児へ悪影響を及ぼすことも心配されています。妊娠の可能性のある若い女性では、ダイエット時こそ緑黄色野菜などをきちんと食べ、食事の栄養バランスに気をつけることが大切です。 一方、通常の食生活ではとり過ぎによる過剰症はみられません。ただし、薬やサプリメントを耐容上限量をこえて大量摂取した場合は、神経障害、発熱、じんましんなどの過剰症がおこるとの報告があります。適切なご利用方法をこころがけてください。
年令 |
18~49才 |
50才以上 |
男性 |
推定平均必要量 |
200 |
推奨量 |
240 |
上限量 |
1000 |
女性 |
推定平均必要量 |
200 妊婦370 授乳婦280 |
200 |
推奨量 |
240 妊婦440 授乳婦340 |
240 |
上限量 |
1000 |
*厚生労働省 日本人の食事摂取基準より
*1μg(マイクログラム)とは、百万分の1グラムのことで、
1g=1000mg、1mg=1000μgになります。
妊娠の可能性がある女性や、これから妊娠を計画している女性は、1日あたり400μgの摂取が必要になっています。これは、受精後1~2週間目にはすでに、赤ちゃんの中枢神経ができ始め、このとき葉酸が欠かせないからです。
葉酸を多く含む食品
葉酸を多く含む食品のリスト
葉酸が多い食品 |
葉酸含有量 |
鶏レバー(肝臓) |
1300 |
牛レバー(肝臓) |
1000 |
豚レバー(肝臓) |
810 |
うなぎ(きも) |
380 |
うに |
360 |
えだまめ |
260 |
モロヘイヤ |
250 |
パセリ |
220 |
芽きゃべつ |
220 |
からし菜漬け |
210 |
ほうれん草(生) |
210 |
あさつき |
210 |
なの花 |
190 |
よもぎ |
190 |
しゅんぎく(生) |
190 |
アスパラガス |
180 |
酒粕 |
170 |
すじこ |
160 |
日本茶(玉露) |
150 |
クレソン |
150 |
レバーペースト |
140 |
きょうな |
140 |
たまごの卵黄 |
140 |
きょう菜の塩漬 |
130 |
そら豆 |
120 |
こねぎ |
120 |
わけぎ |
120 |
にんにくの茎 |
120 |
サニーレタス |
120 |
納豆 |
120 |
ブロッコリー |
120 |
ケール |
120 |
葉酸は、広く食品に含まれていますが、特に多いのはレバーのほか、なばな、モロヘイヤ、ほうれん草、ブロッコリーといった緑黄色野菜、いちごなどです。
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葉酸に関する情報
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